2015年5月26日
朝日新聞DIGITAL
堺市の大阪府立金岡高校と松竹芸能がタッグを組み、今春から全国でも珍しい漫才の授業を始めた。今後2年かけて、現1年生の表現力やコミュニケーション能力を磨く。ねらい通りの成果を上げて、教育界に新風を吹き込めるか。
「漫才は滑舌も大事。オリジナルの早口ことばに挑戦してみて」
4月30日の第1回授業の講師は、松竹芸能の若手漫才コンビ「アカラサマミキサー」「よふかしイエロー」。体育館に集まった1年生約360人に早口ことばのお題を出して、マイクを回した。
生徒は恥ずかしがっていたが、徐々に大胆に。難易度の高い「きゃりーぱみゅぱみゅのぱぱ ぱぱぱみゅぱみゅ」などにも挑み、みごとしゃべりきった生徒にやんやの拍手が送られた。
「□の中を埋めてください。起立・礼・□」という問題では「起立! 礼 イナバウアー」などと回答。珍回答にはどっと笑いが起き、ひねり出した生徒は照れ笑いを見せた。
授業は1年生が対象で、総合学習の時間を充てる。月1~3回のペースで続け、最終的にはクラス対抗の漫才発表会を実施する計画だ。来年度の新入生にも同様に笑いを仕込むことにしている。
生徒には好評だ。山口百花さん(15)と奥峪愛友(おくさこあゆ)さん(15)は「人前で積極的に話す授業はなかったので、おもしろい。みんなで新喜劇のようなものもやってみたい」と乗り気だ。