2015年11月26日
毎日新聞
文部科学省が全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の高校入試への活用を実施要領で禁止する方針を示したことを受け、大阪府教委は来年度から、府内のすべての中学3年生を対象にした統一テストを新設する方針を固めた。学テに代えて、2017年春入試から内申点調整に利用する。27日の教育委員会議で決定する。
複数の関係者によると、統一テストは国数英理社の5教科を対象とし、6月に実施する方向で調整している。中学校ごとの学力レベルを測り、それを反映する形で各校がつける内申点の平均値を設定する。成績の良い学校は高い内申点の生徒が増え、振るわない学校では少なくなる。
府教委は来春の入試から内申点の評価方法を絶対評価に変えるのに伴い、学校間で評価基準を統一するため、中3生が4月に受ける学テの成績を反映することにした。しかし、文科省が24日、来年度の学テの実施要領で入試への活用を禁止する方針を示したため、16年春のみの活用にとどめ、17年春以降は代替案を検討していた。
府教委は中1、中2については3学期に実施する「チャレンジテスト」と呼ばれる統一テストを既に導入。一方、中3については「受験生への負担が大きい」として導入を見送ってきた。受験への影響を最小限に抑えるために中1、中2よりテスト時期を前倒しする方針だが、一度見送った制度だけに教育現場から反発が起きる可能性もある。